【超古典】 第2章(11)
◆ 今回の重要単語
177 やむごとなし
178 せんなし
179 ありつる
180 な~そ
瞳の震える声が聞こえた。
「『口惜し(残念だ)』とか、『本意なし(不本意だ)』とか、
そんなこと……」
瞳の口調が強くなる。
「さること、な言ひそ(そんなこと、言わないでください)」
私はアンケートを見つめていた視線を上げた。みんなも
顔を上げていた。瞳が続けた。
「みんな頑張ったのに、みんな喜んでくれたのに……。200 人
に足りなかったという、たったそれだけで、ありつる(さ
っきの)ライヴは、みんな噓になっちゃうんですか。いや、
ありつるライヴばかりにはあらず(さっきのライヴばっか
りではない)。みなで練習せしやむごとなき時も、噓になり
ぬるか(みんなで練習した、大切な時間も噓になってしま
うのか)」
瞳のクラッシュシンバルが弾けた瞬間が蘇る。
アンコールで歌った『ピュア・ホワイト』の16 ビートが
私の胸を熱くする。
瞳が首を振った。
「それこそ、せんなきことなれ(それこそ無意味なことだ)」
⇒本書101ページ
(今回の重要単語の詳しい説明は、本書の100ページにあります。)
