【超古典】 第1章(32)
◆ 今回の重要単語
125 ことわる
126 よし
127 わくらばに
128 れいの
アンプをミュートした淳一は、
「半年くらい前に、駅前の楽器店で、わくらばに(偶然に)
瞳ちゃんにあった」
と、ことわり始めたり(説明し始めた)。
楽器店にあるドラム教室に、瞳は隠れて通っていたらし
い。「お姉ちゃんには内緒にして」と頼まれて、淳一は、ず
っと黙っていたのだという。
「どうして?」
私は潤んだ目を、瞳に向けた。
「いかなる由にかある(どんな理由であるのか)」
瞳は、呼吸を整えると、例のやさしく笑みて(いつもの
ように控え目に微笑んで)、答えた。
「楽器を買うのは、お母さんが許してくれないと思った。ド
ラム教室に通えば、あとは自分の部屋で、パッドを叩いて
リズム練習ができる。リズムのイメージトレーニングなら、
いつでもできるし」
「そうじゃない」
私は震える声で尋ねた。
「どうして、ロックなの。どうしてドラムなの……だって、
心配じゃないの」
瞳は、少し長い瞬きをすると告げた。
「いつか、お姉ちゃんと一緒にやりたかった」
⇒本書73ページ
(今回の重要単語の詳しい説明は、本書の72ページにあります。)
